Gazing for cello (2020)

"Gazing" for cello


クラシック音楽の演奏を聴いていてると、たまに演奏家が、時間や楽譜に追われているように見えることがあります。もちろん、演奏家の身体性やヴィルトゥオージティは音楽の大事な魅力の一つですし、僕もそのような音楽は、聴くのも、もちろん書くのも大好きです。でも今回は、演奏家自身の自由な時間や空間の感覚を大事にして、演奏家がゆっくりと「音そのもの」を見つめることができるように、曲のフレーズ一つ一つに長いフェルマータを配置しました。

ふと空をじっと見つめて星を探すような、ホールの遠くに響く音を見つめるような、そんな演奏空間ができたらいいなと思いました。

最後はチャーミングなハーモニクスのコーダと共に終わります。

この曲は、わずか1日で書き上げられ、その作曲は、「自然発生的な創造の過程そのもの」です。


梅本佑利