"Gazing" for cello
クラシック音楽の演奏を聴いていてると、たまに演奏家が、時間や楽譜に追われているように見えることがあります。もちろん、演奏家の身体性やヴィルトゥオージティは音楽の大事な魅力の一つですし、僕もそのような音楽は、聴くのも、もちろん書くのも大好きです。でも今回は、演奏家自身の自由な時間や空間の感覚を大事にして、演奏家がゆっくりと「音そのもの」を見つめることができるように、曲のフレーズ一つ一つに長いフェルマータを配置しました。
ふと空をじっと見つめて星を探すような、ホールの遠くに響く音を見つめるような、そんな演奏空間ができたらいいなと思いました。
最後はチャーミングなハーモニクスのコーダと共に終わります。
この曲は、わずか1日で書き上げられ、その作曲は、「自然発生的な創造の過程そのもの」です。
梅本佑利
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