東京音楽大学付属高等学校 学校誌 現代音楽特集 第2弾 Tokyo College of Music High School school magazine "a feature on Contemporary Music" #2

人生を変える!衝撃的傑作現代音楽の数々!

皆さんは毎日の音楽生活に驚きと発見はありますか?

平凡な音楽生活に飽き飽きしたそこのあなた…!現代音楽で、音楽の引き出しに彩りを!あなたの音楽はきっと良いものになるでしょう!一曲ずつ、YouTube 等リンクの QR コードをはってありますので聴いてみてください。

1.ルチアーノ・ベリオ - 「Visage」(1961)

終始、女性のエロチックな喘ぎ声や叫び声、電子音が鳴り響く、ベリオの問題作にして名曲。かの有名な声楽家、キャシー・バーベリアンのボイスパフォーマンスは必聴だ。


僕がこの曲を初めて聴いたのは中学 1 年生の頃。夜中コソコソと聴いていたら親が完全にあーゆー動画を観ていると勘違いして見に来たことを僕は忘れない。皆さんもお気をつけあれ。

2. 川島素晴 - 「インベンションⅢ」- 発話と模倣の位相 (2004)

曲の冒頭から笑いが巻き起こるこの作品、様々なな状況における「発話」の情景がコラージュされる。プランジャーミュートを駆使するトランペットとトーキングドラムが、様々な方法で模倣を試みる。

この曲を初めてYouTubeで発見し、大爆笑した後、僕はこの先生に師事することを決意し、この高校に入学した。これこそ人生を変えた曲!

3. ルチアーノ・ベリオ -「Sequenza Ⅲ」(1965)

こちらもまた、バーベリアンのために書かれた声のための作品。笑い、咳、舌打ち等をこれまでかと詰め込み、声の可能性を引き上げたこれ以上ない超絶技巧曲。声楽家の皆さん必聴!

4. ヨハネス・クライドラー - 「チャート・ミュージック」(2009)

株価変動などのデータをマイクロソフトの自動アレンジソフトSongsmithで旋律に置換した作品。やけに陽気な音楽が笑いを誘う。YouTubeで56万回再生の話題作品。

5. ジョルジ・リゲティ - 「ル・グラン・マカーブル」(1977)

20世紀後半に書かれたオペラのなかでも、最も上演回数が多いこの作品、その衝撃的な内容から「最大の名作かつ問題作」と評され初演された各地で物議を醸した。リゲティの狂気性や緻密な音楽を全身に感じられる最高の作品。

6. 藤倉大 - 「ソラリス」(2015)

2015年パリ、シャンゼリゼ劇場の世界初演後、世界で大ヒットしたオペラ。

僕、この前日本初演観たんですけど、こりゃ、もう、たまげましたよ。IRCAMと共同開発した半端ないエレクトロニクスと管弦楽の残響、会話もすごく自然で、これこそ僕の観たかったオペラ!って感じでした。

7. イーゴリ・ストラヴィンスキー - 「春の祭典」(1913)

皆様おなじみ、春の祭典。これを現代音楽といえないと思いますが、これが僕を現代音楽沼へと引きずり込んだ犯人。これが100年以上前に作られたものだと考えると凄いですよね。

このような初演時に大批判になる曲って、ワーグナーからドビュッシー、ケージまで、いつの時代もありますけど、批判者っていつも間抜けで面白いですよね。

この曲で人生が変わった人は多いのでは。

8. アルヴォ・ペルト - Spiegel im Spiegel「鏡の中の鏡」(1978)

この曲は「ある意味衝撃」という言葉が当てはまるかもしれない。ペルトが確立したティンティナブリの様式を使ったこの曲は、ピアノは最初から最後まで10分間、全く同じリズムで4分音符で分散和音を弾き通し、ヴァイオリンは白玉で音階を繰り返す。こんなシンプルな音楽なのに、途轍もない叙情性がある。実際この曲で何度も涙したなあ。

9. ヘルムート・ラッヘンマン - 「ギロ」(1970)

彼は、ギロの「点の集合が線に聴こえる」音響に興味を持ち、ギロを偏愛するばかりか、遂にその音響をピアノに持ち込んだ。この曲は鍵盤を擦る、「ギロ奏法」によってできている。そんな図形楽譜をみて僕は楽器というものの無限大の可能性を感じた。

10. ジョルジ・リゲティ - 「アトモスフェール」(1961)

人生を変えたと言ったらなんと言ってもアトモスフェール。中学一年生のときだろうか、それは僕にとって未知の音響だった。緻密なミクロポリフォニーが用いられ、オーケストラは56声部にも及ぶ。キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」の音楽にも使用された。

11. ルチアーノ・ベリオ -「Sequenza XI」(1987-88)

ベリオが多くなってしまうけど、この作品は外せない。セクエンツァシリーズの中でもこのギターのためのセクエンツァは特にお気に入りだ。名手エリオットフィスクのために書かれた超難曲にして20世紀現代ギター作品の最高傑作。

12. ルチアーノ・ベリオ -「Sequenza Ⅴ」(1965)

ごめんなさいまたセクエンツァです。(笑)

トロンボーンのために書かれたこの作品。ピエロが演奏する見た目も衝撃的な演劇的作品。

13. ジョン・ケージ - 「ソナタとインターリュード」(1946-48)

これは僕が初めてみたプリペアド・ピアノのための作品だった。ボルト、ネジ、ナット、プラスチック片、ゴム、消しゴムがグランドピアノ45音にプリパレーションされている。これが70年も前の曲とは…